今でこそ、そこそこ名が知れているが、友人のU夫妻が結婚式を挙げた10年以上前は、その名はまだ浸透していなかった。
そのU夫妻の妻・チャーミーは、要所要所で、そそっかしい(笑)
式場のコーディネーターと式の食事の打ち合わせをしていて、当時は珍しかった「イベリコ豚」を勧められ、 チャーミーはそれを「いびり子豚」(!)と聞き違い−−というか勘違いしていたのだ。
聞き違いだけならまだ良いが、チャーミーは「いびり子豚」のキーワードで、 すっかり妄想暴発モードに入ってしまった。
”−−−いびり子豚...「えさを無理矢理食べさせて太らせる、フォアグラ」みたいなモンかしら?
子豚をいびって肉を熟成させるなんて、なんてかわいそう。
いくらおいしいとはいえ、そんな悲しい豚を、私達の祝いの場で振舞うなんて....”
コーディネーターは説明を続ける。「この豚は、どんぐりをえさにして−−−」
「どんぐり」と聞いて、チャーミーの脳内はすっかり大暴走!
”どんぐりの木の回りに、丸い柵を作って、囲い込んだ子豚をまわりからいびってるんだ。
どんぐりしか食べさせないで、いじめるなんて−−−”
心優しいチャーミーは、「いびり子豚」の飼育光景をリアルに思い浮かべ、心を痛めた。
”いびり子豚”たち(ウソ)
”...やっぱり、そんな哀れな子豚たちを、私達の式で出すことなんてできない!”
そう意を決したチャーミーは、夫に切り出した。「あのね、さっきの”いびり子豚”だけどね、」
「ああ、 ”イベリコ豚”?」
夫の言葉とともに、メニューを見ると、 英語で「イベリコ・ポーク」と書いてあった−−
「で、イベリコ豚が、どうかしたの?」
「ううん! 何でもない!」
* * * * * * *
そして式当日。チャーミーが寸前で思い留まってくれたおかげで、
たけちゅうは人生初のイベリコ豚にありつくことができた。
('17 2/2)
【追記】:「いびり子豚」で検索すると、結構ヒットする(笑) 同様な方は案外居るらしい!